『洋書講座』の中で、石けんは不可算名詞で、『ひとつの石けん』は、"a bar of soap" や "a cake of soap" というふうに表します、というお話があり、思い出した小さな石けんネタを。
確認のため図書館へ。
あった! プーさん。
『クマのプーさん』には、こんな一節があります。
戸棚から、大きな黄色いせっけんの棒をとりだすと
『クマのプーさん』A.A.ミルトン作, 石井桃子訳
子どものころ、『せっけんの棒』というのが不思議で、不思議で。
挿絵の石けんはちっとも棒のようではありませんし。
中学生になり、不可算名詞について習ったときに、
ははあ! あれは" a bar of soap" だ!
と納得がゆき、長年の謎がとけて愉快な気もちになりました。
原書をあたってみると、『大きな黄色いせっけんの棒』は、 "a large bar of yellow soap" でした!
(確か)
知ることは小さな楽しみも増やしますね。
講座のお手伝いをしながら、わたしもいろいろ学んでゆこうと思います。
ちなみに、
日本では、1940年に初めて出版された『クマのプーさん』は、何度か訳文の一部を改めらられていますが、あえてそのままにした箇所も多いようです。
はっきり、まちがいと思われるところはなおしましたが、いいまわしなどは、なおさないところがあります。それは、五十年まえ、私たちの目の前にあまりにも生き生きとその姿をあらわした世界を、そのままにしておきたいと思う、私のわがままです。
『クマのプーさん』1985年版の付記 (石井桃子)より
この『せっけんの棒』も残されていて良かった!
少しむかしの遠い国のおはなし、という感じがして、なんともすてきではないですか。